Graceのお菓子づくりは、「香り」から始まります。
なぜ香りなのか——それは、香りが記憶に深く触れる感覚だからです。ひと口食べたとき、鼻からさっと抜けてゆく香りの余韻、またすぐ食べたいと思わせてしまう理由が宿ると考えています。
たとえば看板のチーズケーキ。一般的なチーズケーキは、チーズの濃い旨味が主役にしますが、Graceはあえてチーズの主張を抑えます。代わりに引き立てるのは、「ふわりとやわらかのチーズっぽいな」と言えるような香りを、「チーズっぽくない」が褒め言葉になる、私たちにとっては最上の褒め言葉です。
焼き菓子にもGraceならではの香りの設計があります。ひと口かみさっと立ちのぼる香ばしい、精細なその余韻は、実はひそかに、Graceがひそかに大切にしている小さな工夫が隠れています。
季節が変われば、香りの表現も変わります。だからGraceのお菓子は、季節とともに少しずつ姿を変えていきます。
時間はかかりますが、どこかの時間をたっぷり温度と奥行きを与えてくれると信じています。